岡崎にて不穏な空気が漂った第20回のどうする家康。
今回も前回同様に女性の姿が際立ったお話だったように思います。
また、個人的には虎松の活躍が嬉しい回でもありました。
女性、強し。
瀬名
武田信玄亡き後も勢力が弱まる気配の無い武田軍。
息子の勝頼の力は強大で、「信玄はまだ生きている…」と家康も言うほどです。
そんな勝頼が目を付けたのが、瀬名と信康親子。
岡崎に居る家臣たちに上手く働きかけ、内部分裂を起こさせていたのは信玄にも通じる手法でした。
人の心を上手く掴んで寝返らせ、作戦を実行しようとしていた勝頼。
そんな勝頼の策を阻んだのも、人の心で。
瀬名がいかなる家臣に対しても分け隔てなく向き合い、触れ合うことをいとわない姿、心を寄せてくれる優しさに、罪悪感が芽生えてしまったんですよね。
人の心が良くも悪くも変わっていく様が良く描かれていたように思います。
信玄や勝頼が上手く人の心を利用することで政や戦を有利に進めようとしているというのは、賢いやり方なのでしょう。
しかし、確実性が薄い方法でもある…ということの証明にもなりましたね。
家臣たちが抱いている不満を知り、背後に蠢く者の存在に目を付けた瀬名。
ラストの笑顔は、今までの彼女のイメージからは大きくギャップのある姿でした。
前回からかなり強さを見せてきている瀬名。
でも、多分この行動が彼女の命を縮めることに繋がるのだろうなぁと想像してしまいました。
嫁と姑
傷ついた家臣たちに献身的に向き合う瀬名の一方、五徳は「汚らわしい」と吐き捨てます。
「三河の者として…」と考えると、瀬名の行動があるべき望ましい姿でしょう。
ただ、五徳のひと言に対して叱咤した瀬名に全面的に賛成して五徳を責めることも出来ないような気がしています。
瀬名の場合、今川方から三河へ嫁いできていて、その彼女にチクチクと指導をしていた於大の方の存在がありますよね。
嫁という立場からするとあまり歓迎されないものなのかもしれませんが、きちんと伝えるべきことを伝える於大の方の存在は大きなものであったはず。
その指導を受け取った瀬名の素直さも、もちろん見逃せないポイントだとは思いますが。
一方、五徳は幼い頃から三河に移ってきていましたが、彼女への対応はなかなかに難しいものでしたよね。
信長の娘であるということから、家康でさえも厳しい事が言えず…。
完全にナメられていた。
家康がそんな対応なので、瀬名も立場として強くは言えなかったのだろうと想像します。
だからこそ、「私は織田信長の娘である」というモノが五徳の武器の1つになってしまっていたのでしょう。
実際に身近に居たら面倒なタイプですけど、少し離れて眺めるとなんとも可哀そうな人だなぁと思ってしまいます、五徳。
きちんと向き合うことが出来ていれば、きっと良い関係を築くことも出来ていたのでしょうけれども…。
難しい問題ですねぇ。
ついに活躍、虎松
さて、ゴタゴタしている中でサラッと活躍していた虎松。
家康を殺めようとしていた彼がその家康に仕官した理由、なんとも言えずに沁みました。
でも、民の傍に居て、自身も上から押し付けられてきた境遇であればこその感覚ですよね。
ずっと上から見下ろしていたんでは、見えてこないものでしょうし。
まだまだ生意気盛りで、忠勝からは役に立つと認められつつも複雑な思いを向けられている様も面白かった。
きっと、忠勝・康政の2人との掛け合いも沢山見られるのだろうと、今からとても楽しみです。
そうそう、康政もサラッと戦闘技術が上がっている様子が見られて良かったです。
今までずっと銛を持っていましたけれども…。
彼もちゃんと武士になってますね。
推しが増えていく。