男と女の対比が面白かった今回。
特に、素敵な男たちが輝いている姿には感動しました。
良い、男
今回は何と言っても、鱗の旦那が素敵だった!
というか、素敵な男たちが描かれていた回だったなぁと感じます。
その筆頭が鱗の旦那だった、って感じ。
廃業するにあたって自分が今までになっていたものを仲間に売るというのは、なんともいえない気持ちになるのでしょう。
本というものがあらゆる人たちの手を渡って作られていることが明確に描かれているからこそ、そういった想いも乗ると権利を渡すっていうだけでもグッと思うものがありそう。
今まで蔦重の視点からみるとちょっと嫌なやつ感もあった鱗の旦那。
でも、本作りが好きで愛情がある人なのもきちんと描かれてきていましたよね。
蔦重と一緒にアイデアを考えた時も、恋川春町の身の振り方を考える時も。
決して儲けることだけを考えていない人物なのが、今までもそして今回も描かれていて、感情移入したくなってしまうキャラクターでした。
私が一番好きだったのは、恋川春町が蔦重の元で書くことになったと頭を下げた時。
鱗形屋としては芝居で怒らなきゃいけないけれども、嬉しくって「パアッ」と喜んだあの笑顔!
恋川春町という人物の生み出す本のファンだったんだろうなぁと感じさせたし、その点で蔦重と協力関係になれたということを証明する場面だったように思います。
今までは書店同士でバチバチしていた関係値でしたけど、その舞台を離れた途端に憑き物がとれたように爽やかになった姿を見て「元々こういう人だったんだなぁ」と感じられたのもよかったです。
蔦重と裏で組んで鶴屋や西村屋に一芝居打つところ、過去に蔦重をうまく利用するために彼らと組んで騙していたことの良い再現でしたね。
そして、版木を蔦重に手渡して2人して涙するところ。
話を後ろで聞いていた歌麿の目も潤んでいて、本当に素敵だった。
鱗の旦那も、蔦重とその仲間たちも、本のアイデア出しのために集まってあれこれと悩んで…という姿が輝いていて、良い回だったなぁと噛み締めています。
みんな、本当に本作りが好きなんだねぇ。
強かな、女
なんとなく、今回の話を見ていて思ったのは男と女が意図的に対照的に描かれているのかな?ということ。
素敵でキラキラと輝いているように見えた男たちの一方、女はとてもドロドロとしていて強かです。
大奥の西の丸の件しかり、誰袖しかり。
とくに誰袖に関しては、この先の展開を知っているメタ視聴者的に蔦重の妻となる人物を知っているので、「だからああいう女性を選んだのね」って思ってしまいます。
死にそうになってふらっふらの人に自分に都合の良い遺言を書いてもらう…。
吉原に居るから(と言ったら悪いけど、)その選択ができたのか、そもそも誰袖の持っている素養なのか。
どちらにしても、外野の視点から見ても好感度下がるって…って思ってしまう私です。