
ずっと「見たいなー」と思っていながら先延ばしにしていた、『カラオケ行こ!』をアマプラで視聴しました。
きっかけは、アマプラでの配信期限が迫っているということを知ったから。
これを逃したら見られないかも知れない!という危機感で視聴したのですが、まじで面白かった。
見てよかった。
面白すぎて、見終えた直後に2回目を見ました。
やめられない、とまらない、
中学3年生、合唱部の部長である岡聡実君とヤクザの成田狂児との出会いから始まる、ちょっと変わった青春映画。
というのが、私なりのこの映画を咀嚼した一言。
主役は成田狂児を演じている綾野剛さんなのですが、見ている感覚としては聡実君の成長と青春を見守っている感覚になるので、不思議な感じ。
ヤクザも出てくるし、若干怖く感じるシーンもあるのに、なんだか爽やか。
甘辛ミックス的な不思議な魅力を感じる映画でした。
なんかずっと面白くて。
見終えてすぐに「もう1回見たい!!」と思い、間を置かずに2回目の視聴をするくらいにはハマった。
確か映画が上映されていた期間に、今作はリピーターが多いというニュースを見た気がするんですけど、それがとても良くわかる感じがしました。
甘いのと塩っぱいのを交互に食べると延々と食べられてしまう…みたいな。
この世界の温度や香りから抜けたくない、終わりたくないと感じさせる作品だったなぁと思ってます。
リアルな青春
聡実君の日常、部活の様子と家庭の様子がいい味出してましたね。
彼にとっての当たり前の世界は、もちろんこっち。
合唱部の後輩である和田君と副部長の中川さんのやり取りとか、リアルな感じがあったなぁ。
和田君はすっごい真面目なんだよね。
合唱部の活動に本気で取り組んでて、自分の居場所としての誇りがある感じ。
真っ直ぐ過ぎて悩んでる聡実君的にはちょっと煩く感じる部分もあるんだけど。
もしかすると、聡実君も1年や2年の頃はあれくらいの熱量で部活に取り組んでたのかな?って思わせてくれるのが和田君だったと思ってます。
そして、彼にいい感じでおせっかいを焼いてくれる副部長。
よくよくやり取りを聞いてると、あんまりちゃんと和田君の話を聞いてる感じでもないのがいいよね。
「そうやんなー」「大変やんか」「へぇー」みたいな。
テンプレの返答をいくつも持ってる感じが、副部長として周りに世話を焼く子っていうキャラをより際立たせてたように思う。
ああいう子って、部長にはならないけど副部長にはなるよね、っていう納得感があるのも面白かった。
あと、なんとなく和田君を面白がって見ているお姉さん的ポジションに居る自分を楽しんでる感もあったよね。
変声期に悩む聡実君の逃げ場になってくれていたのが、映画を見る部。
一緒に映画を見てた子の名前、wikiには栗山君と書かれていました。
彼、すっごい良かったなぁ。
ああいう不思議な個性をまとった子もクラスに1人は居たよね、って感じ。
聡実君のことを歓迎して一緒に映画を見てくれている距離感が、つかず離れずのもので、だからこそ聡実君の居場所として機能していたんだなーって。
きっと映画を沢山見ている中での学びや知識があるからこそ、ちょっと大人びてて俯瞰してる様な立ち位置で聡実君と接してたんだろうね。
その彼が部外者である和田君には当たりが強い感じも好きでした。
映画を見る部という場を守りたい栗山君と、合唱部という場を守りたい和田君。
どちらも素直に守りたいものに対して行動を示せるっていうのが、彼らの共通点として見えてくる感じ。
正義の反対は別の正義を体現しているみたいな2人だったなーと。
聡実君の両親もいい味出してましたね。
というか、父親が宮崎吐夢さんだったのが…!
フラッシュ倉庫で育ってきた子どもだったので、テンション上がりました。
すっごいお父さん可愛いなって思って見てたんだけど、傘とかお守りの独特のセンスを発揮してくるあたりが好きでした。
でもって、そのお父さんと仲良しっぽいお母さん。
ツッコミ役の顔してるけど、どう考えても両親がボケタイプだからこその聡実君なのかなーとか思っちゃった。
聡実君のツッコミはキレッキレだからねぇ。
心の中で普段から両親にツッコんでるんじゃなかろうか。
非日常の青春
綾野剛さん演じる狂児は、もう安定感抜群。
格好良くてキレッキレの大人!と思ってたけど、ちゃんとツッコまれる隙があって。
歌声が絶妙にキモいのが良かったです。
飄々としてる風だけど、きちんと聡実君を見つめている大人の余裕が端々に感じられるのが素敵でしたね。
ブラックな側の住人ではあるけど、優しい大人でもある。
このバランス感がすごかった。
あと、スタイルが良すぎる。
こんなにスーツが似合うかねってくらい似合ってた。
聡実君の視点から見たら怖いけどふざけてる大人として映ってる出会いから、時間を過ごすうちにちゃんと友達の関係性にまで進展してるのが良かったなぁ。
お互いに遠慮せず各々の時間を過ごしながら場を共有してる感じ。
あの距離感でいられるのって、多分映画を見る部の栗山君にも通じる心地よさがあったんじゃないだろうか。
そのうえで、狂児はちゃんと大人でもあるから、同級生にはない包容力も持ち合わせてる。
大人と子どもっぽい境界を軽やかに超えて行き来する感じが、狂児の魅力なのかも知れませんね。
ただ、ちゃんと怖いところは怖かったけど。
こういうところで非日常でありブラック側の人間であるということを示してくれているのは、聡実君ひいては視聴者への意識の線引のし直しって感じがしました。
ただのいい人にしない感じの配慮というかね。
紅
XJAPANの紅と言えば、私は小学生の頃にめっちゃ聞いていた曲。
なぜなら兄がその当時XJAPANにハマっていたから。
その影響でライブ映像を見たり、MVを見たり。
ヒデミュージアムにも行ったことがあります。
ということで、実はわりかし馴染みのある楽曲。
ただ、この曲の歌詞をここまで深く染み込ませて作品に落とし込んでいるとは思わず。
当時映画のCMで「紅だーー!」って綾野さんが叫んでるところは何度も見てたけど。
狂児が和訳した歌詞を読むシーン、聡実君が歌詞をつぶやきながら街を歩くシーン。
同じ言葉を発しているのですが、響きが全く違います。
そして何より、聡実君の紅の歌唱シーン。
映画を見続けていて期待値が上がってしまっているところに、軽々とそのハードルを超えていく熱量と歌声。
今のこの時期の彼だからこそ歌える歌なんだという説得力が半端なかったです。
あと、あんなに歌詞で感動するとも思わなかったなぁ。
まんじゅうこわいについて、
エンドロールの後に、狂児が聡実君をカラオケに誘っていますよね。
あの時、狂児の腕には『聡実』という入れ墨が入ってた。
あれって、組長に掘られたやつでしょうか?
私は勝手にその様に解釈してるんですけど…。
というのも、狂児が「次は負けられない」的なことを言っているし、聡実っていう名前のフォントもなんか丸い感じでプロっぽさが薄く見えたんですよね。
劇中で落語のまんじゅうこわいの話をしてるじゃないですか。
「好きなものをわざと嫌いだと言って掘ってもらえばいい」と聡実君は言ってた。
だから、それのアンサーというか、その結末があそこに詰まってるんじゃない?って思ったんですよね。
つまり、狂児は聡実君のことをちゃんと好きでいてくれている。
聡実君の愛情の一方通行ではないということを、描写してくれてるんじゃないかなーって。
本編だけ見ると、狂児の本心みたいなものってちょっと見えにくい気がしてて。
聡実君がストレートだから、より大人の複雑さとか隠す上手さみたいなものが際立ってる感じだと思うんですけど。
最後にあのシーンがあることで、狂児にとっても聡実君は代えの効かない存在としてあるんだなーって思わせてくれる感じが、私はとても好きでした。
妙な友人関係なのかなんなのか。
あの2人の続きが見たくなる気持ち、とても良く分かります。
というか、またカラオケ行こ!見たくなってきたなぁ。
こんなに何度も見たいと思わせてくれる素敵な作品に出会えて嬉しいです。
アマプラの配信期限に怯えて見てよかったー!