今回の個人的MVPは実資殿です。
いやぁ、やっぱり彼のあの実直さはとても好き。
コロコロと人物像に掴みどころがない感覚がする物語の中で、ずっと一本筋を通している実資の好感度だけが私の中で素直に右肩上がりです。
貴重な実直さ
ここ最近、というか左大臣となった道長の周りとの距離感がずっと寒い感じがしていました。
前回なんてその固まりみたいな…。
みんな権力者である道長には本心を言えない、言わない。
どうにか取り入って良い役職に就けてもらいたいという気持ちもあるし、嫌われて遠のきたくないという気持ちもある。
そういう心は自然だと思います。
そんな中でずっと変わらないのが、実資。
三条天皇の譲位に関して、道長の持つ政治のビジョンに関して、まっすぐ向き合って思ったことを口にする。
三条天皇の譲位に関しては、自分や家の出世が絡んでいるからとも言えますが、そういう欲が実資の中にもきちんとあるというのが、彼をより魅力的に見せていると私は思います。
あと、実資ってわりと物事をストレートに口にしている風ですけど、日記に色々と書き残している。
細かい出来事だけでなく、愚痴とか愚痴とか…。
腹に据えかねる事を日記に書いて消化するというのは、とても健康的な行動だと感じます。
あの時代、呪詛なんてものもあったし、言霊という言葉が無くても概念はあったでしょうし。
伊周なんてのがいい例ですけど、恨みつらみを募らせてこじらせる方向にもいけるわけです。
でも、実資は日記に書いて終わり。
誰かに深く執着することも無い。
こういうスタンスの方がさっぱりしていて、結果として出世していくのでは?と思います。
本人が望む速度の出世かどうか…は分かりませんけど。
隆家と仲が良いというのも分かる気がします。
あの2人はあのドラマに出てくるキャラクターの中では珍しいサッパリした人達。
新たに出てきた武人という役職の人間にも通じるような潔の良さがありますよね。
その中に出世欲などがあるから、人間味があって面白い。
ドラマを見ていて思うのは、私が好きだと感じるキャラクターはこういうサッパリしたタイプなのだということ。
伊周はもちろん倫子とか明子とか、ずっと好きになれないキャラクターはみんななんだかベタっとしてるのよねぇ…。
さて、次回
有名な道長のあの歌が出てくる次回。
ドラマが12月15日で終わるらしいので、もう終盤なのですよね。
道長も40代後半、50代に入っているのかな?それくらいの年代ということは、晩年なわけで…。
あとはどう死に向かって行くか?というお話になるのでしょうか。
歴史に疎く、この先の展開や終わり方も読めないドラマなので、正直もうお腹いっぱい満足感を感じている私としてはいつ終わってくれても構わないと思っているのですが…。
「次回どうなるんだろう!?」みたいな感覚があんまり無い大河ドラマだったように感じます。
もしかしたらそういうモノも狙いのうちだったのかな…?