16話の感想をひと言で言うなら、「魅力的な人物がいない」でした。
なんというか、そういう感じ。
一周回った道兼が美しかったですけど、それ以外の部分での面白みが見いだせなかったです。
アホなん?
今回の一番の個人的突っ込みポイントは、道隆の「光が眩しいほどに…」的なセリフ。
とんでもない勘違い野郎だな~と、失笑ってところでしょうか。
それとも権力を持つと人間目が曇ってみんなあんな風になってしまうのでしょうか…?
そうなると未来の道長にも絶望しか見えないのだが。
光って、一条天皇をそう言い表すなら納得です。
輝かんばかりに美しい、才気あふれる若き天皇。
そんな一条天皇をそのように称して語るなら、みんな納得でしょう。
どう頑張ってもその光を受けて光る月にしかなり得ない道隆が、さも自分が光を放っていると言わんばかりのあのセリフ。
今までそれなりに優秀な人物と思っていたのですけど、そもそもそこが間違っていたのでしょうか?
あの時代、高い位や重要な地位についていたとしても、それって本人の実力でない場合もあるわけで。
というか、多分そっちの方が多いわけで…。
ってことは、道隆もまぁ、そういう感じだったのかねぇ。
息子に関しては前回から疑問が浮かびっぱなしでしたが、今回も相変わらず。
次男に関してはあの中ではまだマシな方にも思えます。
というか、次男の存在を霞ませるほどに長男のポンコツっぷりが極まっている感じなのかも。
道兼との会話の中で「父上がお考えです」的な返事をしてましたけど。
自分の考えの無さや力の無さを堂々と言い切っている感じが、やっぱり失笑ポイント。
父が父なら…ってことなのかな。
それとこちらも謎が深まる定子。
一条天皇よりも年上であろう彼女はずーっと子供っぽいというかなんというか…。
演じている部分もあるのでしょうけれど、それによるメリットって何なのだろう?
あえてバカを演じるという世渡りの方法もあるとは、思います。
ただ、そういう場合って周りに敵がいる状態で演じるものであって。
雪遊びのあの場面って、定子からしてみたらホームの状態なわけですよね。
あの場でのあの振る舞いは演じているよりも素が出ていると考える方が自然なのかな?
だとすると、彼女はずっと子供っぽい。
一条天皇からすると母親が強めの人だからあれくらいに幼い女性の方が惹かれるのかもしれないけど。
見ている私としては、なんとも言えずよく分からんです。
失笑のダメ押し
今回一番の失笑ポイントは、悲田院でのまひろと道長の出会いです。
なんというか、いや、多分普通はキュンとするとかそういうシーンなのだと思うんですけど。
恋愛ドラマ的なものが基本的に刺さらないタイプなので…。
看病している最中の道長がまひろへ呼びかける声と、その後に為時へ返す声の差が「流石、役者さん…!」とは思いましたが、惹かれたのはそれくらいでしょうか。
辛口になりたいわけじゃない。
最近の感想雑記はだいぶ辛口な自覚があります。
別に私もそういうことを書きたくて書いているつもりは全くないのですが…。
素直に感想を書くと、そうなってしまうのです。
そんな私に刺さらない回ではありましたが、道兼の美しさはすごかった。
彼は一度地の底に落ちたからこそ、人として覚醒したのかもしれませんね。
普通に道長と兄弟らしいやり取りをしているのも、なんだか嬉しかった。
これは道兼を支えてくれている道長の存在が大きいのでしょうね。
他の人物であれば道兼の覚醒も無かったんだろうなぁ。
一度落ちた人物が覚醒して再び上がって来るというのはドラマでもよくある描かれ方なのだと思います。
が、このドラマでは道兼のような人物はもう出てこないような気もする…。
今まで見てきて、登場人物が最初の印象から大きく変化していくというのは、理解しました。
しかし、良い方に転換したのは現状道兼だけ。
最初は好感触でも、見ていくうちにどんどん私の中で好感度とか評価が下がっていく人物ばかり。
もしくは倫子や伊周のように最初から底辺這いずって、えぐれていくパターンか…。
登場人物に魅力が感じられなかったり共感できないことが続くと、見ていて面白みを感じにくくなってしまいますね。
誰かひとりに注目して見る物でもないのかもしれませんが。
そういう意味で難しいドラマに感じています。