砂糖水と雑記帳

なんでもない日常の雑記帳 ~猫と暮らしてゲームして~

どうする家康:真っ直ぐな想いを抱えて走る阿月に見た脚本の上手さ

1週の間隔があいての放送になった、第14回『金ヶ崎でどうする』。

今回の主人公は、誰が何と言おうと、お市の侍女の阿月でした。

ひたむきな想いを抱えて、ただひたすらに走る彼女に、歴史に残らない女性の姿を見た気がします。

良い回でしたね。

あづき

第13回で、京の都で家康と顔を会わせている阿月

お市を経由して、こんぺいとうを貰っていた姿がとても印象的でした。

それから、名前も。

次回予告の段階で、彼女が走っている姿を見て「そういう事か、」と膝を打つ思いでした。

第14回の冒頭、干し柿のために男子に混じって走る彼女の姿が見られます。

周りの男子たちを抜いて1番になった阿月でしたが、結局景品の干し柿は得られず…。

彼女の身なりや生活環境的に、満足に食事を摂れていないことは想像できます。

また、多分甘いものが好きな子だったのだろうということも。

私の勝手な想像ですが、そもそも阿月はそれなりの家の出だったのだろう…と思っています。

元武士の家とか、そういう感じ。

武士と言ってもピンキリだろうから、良家の出身ということではないのだろうけれども、それでも農民の子ではない。

家の没落の原因はどう見ても阿月の父親でしょう。

金のために彼女をしつけ、売り飛ばしてしまいます。

干し柿を目の前にした阿月を引きずって連れて帰る彼女の父親。

当時の女性は着物の裾をなびかせて走るなんて、はしたない事だったのではないかと想像します。

が、阿月の父親はそこに関して怒ったのではなく、自分の躾から逃げ出したことや足癖の悪さについて怒っていたのだろうと想像しました。

それなりの金額をつけてもらうためには、そこそこの教養が必要になる。

だから、「走るなんてもってのほか」ってことだったのではないか、と。

とりあえず、どうしようもない父親であることに変わりはないねぇ。

お市様と、阿月

人売りから逃げ出したのか、行き場もなく浮浪者となっていた阿月が忍び込んだのが、浅井の御屋敷。

食べ物を盗んでいたところを家人に見つかり、取り押さえられようとしていた騒動を聞きつけたお市に手を差し伸べられます。

綺麗な着物を貰い、侍女としての仕事と居場所を貰い。

産まれたばかりの姫のお世話係として、お市の傍近くでの生活をしていたようです。

多分、阿月の人生の中で1番幸せな時間だったのではないでしょうか?

描かれている限りの中で想像するしかありませんが、彼女が触れた初めての温かい人がお市様だったんじゃないかと。

そう考えると、そのお市様の為に家康の元まで走るという無謀だとも言える行動も頷けます。

金ヶ崎までの道中、私が1番悲しかったのが、阿月が着物の袖を千切るところ。

あのお着物、お市様から与えられた最初のプレゼントですよね、多分。

侍女が何着の着物を持っていたのかは分かりませんが、阿月にとって思い入れのある大切な物であったことは想像できます。

その着物を自分で千切って傷を覆い、わらじの代わりとし、また走る。

とても、切なかったぁ。

小豆の袋

織田軍と浅井・朝倉軍の姉川の戦いにて、小豆の袋の逸話はとても有名ですよね。

お市が兄の信長に対して、「浅井軍と朝倉軍に挟まれた袋の中の小豆である」という知らせをしたというようなお話。

それによって、信長は一命をとりとめたわけです。

その逸話を上手く使ったお話だと言える今回。

さらに思うのは、歴史の中での女性の存在の曖昧さをも上手く利用しているな、ということ。

田鶴の回でも思いましたが、日本史では女性の存在ってとても曖昧。

武将の妻とか娘とか、家族であっても生没年があやふやだったり、どんな人であったかなどの資料が残っていないことがほとんど。

これって、歴史を知るうえでは大きなマイナス要因ですが、創作の上ではプラスに働く。

それを上手く利用したのが、阿月という存在に思えました。

こういうところが、脚本が上手いっていうポイントなんだろうなぁ。

その他の人たち

阿月が完全に主人公だった第14回でしたが、その他にも気になる人物がちらほら居たのでオマケ的に書いていこうと思います。

信長

印象が大きく変わったのが、信長だと思う。

今までは何を考えているか分からない、魔王的な存在に見えていましたが、今回の信長はとても人っぽかった。

素直に浅井長政という男、弟を信じていて。

裏切りという可能性を家康に突かれて、怒って…。

この裏切りって言うのが、後々の本能寺へも響いていくような、そういう伏線にも感じられました。

なんとなく、とても真っすぐな人物に思えました、信長。

人が想像できないような理想や野望を抱いているけれども、根本的にとても真っすぐな人物で。

「何を考えているか分からない」と家康にも言われていますが、その表面を抜けた奥にはそういった性格を持つ人なのかなー?と。

その奥の面を知っているのが、勝家なのかもしれません。

勝家

そんな、勝家。

ちょう格好いい、勝家。

今作の最推しは忠勝ですが、勝家も好き。

信長の為にと家康に頭を下げに来てくれる、超いい男です。

無口ではありますが、きちんと人を見ている人なのだろうと想像できます。ここら辺は市とも共通するポイントですね。

今はまだ若造の忠勝も、「いつかはあんないい男になってほしい…」という個人的な願望がある。

勝家が傍近くで仕えているということを考えても、信長という人物の人間的部分の良さみたいなものが想像できる気がしてます。

秀吉

1番怖い存在だったのが、秀吉。

怖いというか、気持ち悪いと言うか…。誉め言葉、ね。

後の天下人であり、家康と対峙する厄介な相手だと考えると、あの挙動も分からなくもないですが…。

出世ということに関して、恐ろしいまでの執着と執念を見せてましたね。

個人的に、歴史上の秀吉もちょっと面倒で厄介で…という人物なイメージがあるので、あの「ひぇぇっ」となる姿は、私の中ではイメージ通りなのですが。

この先、本当に面倒な敵になりそうだなあって思った。

長々と…

本当はもっと色々と書きたいと思っていたのですが、気づいたらもう文字数がとんでもないことになっているので、今回の感想雑記はこれで終わります。

オマケに書いた人物についてとか、書かなかった人物についてとか、書きたい事は山ほどあるのですが…。

書きたい事が溢れて止まらないということだけでも、今回の大河ドラマが面白いという証明なのだろうと思ってます。

いやー、楽しいぞ大河。

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