第18話目のどうする家康、三方ヶ原合戦大敗の真実が描かれた回でした。
見ていてウルっときてしまうシーンが多々あった今回。
家康という人物を大きく成長させた大きな出来事であったということが、よく分かる表現でした。
夏目ぇ…。
間違い続ける名前
当初からずっと名前を間違え続けられていた夏目広次。
調べてみると、夏目吉信としての名前の方が主だって出てきて、一部資料では本名は広次とされている…とのこと。
ドラマではこの資料知識を上手く設定に織り込んだという感じでしょうか…?
どうしても名前を覚えられない家康と、覚えてもらえない夏目。
そのなんとも言えないやり取りと距離感は、ある種の面白さを持っていました。
名前を間違えられてちょっと悲しそうな顔をする夏目のことも、「また間違えられた…」という悲哀なのだと思ってた。
けど、真実を知って振り返ってみると、家康は夏目との思い出を忘れながらも夏目吉信という人物の全てを忘れてはいないことを感じられ、その淡い記憶の気配に夏目は苦しんでいたのかもしれませんね。
いっそ全て忘れられていた方が、仕える身としては気楽だったのかもしれない。
自分のことを覚えていないと言いながらも微かに思い出の名残を感じられて…。
夏目は切なかっただろうなぁ。
夏目吉信、史実でも三方ヶ原で家康の身代わりとなって亡くなったそうです。
三河一向一揆では家康に対したのですが、それでも許され、仕えた家臣。
忠義ものとして家康が後に墓を建てているらしく、そこからも人柄が想像されます。
多分、ドラマで描かれていた、ああいうお人だったんじゃないだろうか…。
敗北と成長
武田信玄との戦、徳川側の大敗でした。
以前の家康であれば早々に逃げ出していたり、仕事や責務を放棄していたでしょう。
しかし、今の家康は敗北と大切な仲間の死に苦しみながらも前を見ていました。
「敗北や喪失を無駄にしてはいけない」と、涙を流しながらも心は挫けていなかった。
そんな家康だからこそ、家臣たちはついてくるのでしょう。
人がついてくる(集まって来る)人のタイプっていくつかあると思いますが、家康と信長は真逆と言えるかと思います。
家康は弱さゆえ、信長は強さゆえに人が集まって来る。
どちらにも魅力があるからこそだとは思いますが、家臣として寄り添いやすいのは家康のようなタイプだろうと思います。
信長のようなカリスマタイプはもちろん魅力的だけど、一致団結するなら家康のようなリーダーかなぁと。
三方ヶ原合戦が家康にとって大きな成長の転機なのだと感じさせる回でしたね。
本田叔父、
常に腰にひょうたんをぶら下げた本田忠真。
現代ではアル中とか言われてしまうのかもしれない叔父さんですが、戦上手で良いおっちゃんなのは感じていました。
なによりも忠勝からしてみたら大事な身内です。
家康が大きな喪失をしたように、忠勝も三方ヶ原合戦にて大きな喪失をしました。
忠勝からしてみたら、軽口を叩ける相手である叔父さん。
素直に、とは言えないまでも、弱さを見せることが出来る相手でもあったのでしょう。
そんな偉大な叔父に守られ、未来を託された。
これから忠勝も大きく成長していくのでしょうねぇ。
こっちも泣きそうになったよ。
次へ向かう
「皆が出来る事をしている」と家康に対して石川数正と酒井忠次が伝えていましたが、家康だけでなく徳川軍が前を向いて動き出している証拠ということ。
榊原の功績がサラッと伝えられていましたが、あれで榊原という人物が軍師として優秀であるということも表現されてますよね。
負けても負けっぱなしではない、という終わり方に希望が見えました。
その一方で武田軍にはなんともいえない不穏な空気が漂っていて。
家康の物語なので、次回ももちろん家康中心に話が回るのでしょうけれど、気になる展開が沢山です。
武田信玄や武田軍に関してはもちろん、浅井・朝倉軍との決着もつくのでしょう。
いやー、楽しみだ。