徳川家康の人生においていくつかの危機のうちの1つと言われる伊賀越え。
私の浅い記憶では服部半蔵が活躍したのがこの伊賀越えだったよなぁ…と思いつつ視聴していた今回。
印象的だったのは、大鼠でした。
大鼠が可愛かった!
忍者と言うと、伊賀と甲賀と2つの派閥が思い浮かびます。
いつものようにwikiで調べてみたら、対立しているイメージがある2つの流派は実際には協力関係にあったらしいです。
住処が近いためにお互いに協力して敵と戦うこともあったとのこと。
ただ、伊賀忍者と甲賀忍者には大きな違いがあり、それが主を持つか否かというもの。
甲賀忍者は1人の主に従う、いわゆる忍者のイメージの方々だったらしいのですが、伊賀忍者は特定の主は持たなかったそうです。
そのため、敵対している勢力のどちらにも伊賀の者が居るというパターンもあったみたい。
いわゆるお金で雇われる傭兵なのが伊賀忍者だったようですね。
さて、ドラマで伊賀越えを提案した服部半蔵。
伊賀にルーツを持つということから、自分が居れば襲われることは無いという判断でした。
「父は優秀な伊賀者だった」と言って伊賀忍者たちに笑われていましたが、史実では有力な家の1つだったんですよね。
ドラマではどうだったんだろう…?
本当に優秀な人だったのか、そうではなかったのか…。どちらでもあり得そう。
史実では、伊賀忍者の上忍3家の内の1つだった服部家。
そんな半蔵たちを捕らえた百地も上忍3家に数えられる有力者で、ドラマ内では伊賀衆のまとめ役でした。
半蔵の訴えを笑い飛ばし、大鼠の訴えに虫唾が走ると言っていましたが、ここら辺は伊賀忍者という存在の在り方が分かるととても納得できました。
1人の主に仕えるという意識が薄いからこそ大鼠の言葉を跳ね返したんだよね。
知らないで見ていると、ただの偏屈なじいさんなのかなって…。
でも、本多正信と家康たちとのやり取りを見て分かってくれたのは、百地という人物の深さをよく表していたように思います。
みんなが必死に家康という人間を守ろうとしていた姿に色々と思うことがあったんでしょうね。
正信のハッタリも分かった上で、家康に「信長は生きていると思うか?」と問うていて。
それに対して目を逸らすことなく向き合った家康の姿は、百地だけでなく正信も動かしてくれたように思いました。
家康と正信の関係性もとても好きだなぁ。
かわいい大鼠
今回は服部半蔵大活躍の回と思っていましたが、気になったのは大鼠。
服部党の者たちが家康に向かって頭を下げている中、唯一膝をつかなかったのが大鼠でした。
これ、「男女の差なのかな?」って思って見ていたのですが、どうなんだろう?
男性的な主従感とは違うのかな?っていう…。
今まで大鼠って直接家康と関わる事が無かったように記憶しています。
私が忘れているだけかもしれませんが…。
少なくとも瀬名の死以降しっかりと向き合ったのは今回が初めてだと思います。
瀬名の介錯をした大鼠。
家康からすると愛する妻の息の根を止めた相手です。
長く苦しみ悶えることのないようにした事ですが、頭でそれが分かっても心で納得できるかは別。
ずっと苦しんでいた家康のことを知っていれば、それくらい想像が出来てしまうわけで…。
大鼠の視点を想像すると、「家康(主)に恨まれている」という考えが少なくともあっただろうし、それを仕方ないと思っていたように想像できるんです。
だからこそ、盗んできた野菜を空腹でたまらないはずなのに自分たち(服部党)にも分け与えてくれる家康をじっと見つめていたのかな?と。
あの目や表情が本当に印象的でした。
忍びという存在が武士よりも下で、ずるい手段として言及されたりもしていましたが、そういう世界の中で他の家臣たちと同じように扱ってくれる家康という存在は本当に貴重だったのでしょうね。
今まで出来る女としての描写が多かった大鼠。
つんけんしていて表情の変化に乏しく、半蔵に対しても当たりが強い感じで…。
掴みどころがないようにも見えていた彼女が少しずつ人らしくなっていく様子がとても嬉しいです。
これも服部党の一員として活動していく中で、周囲の者たちとの触れ合いの中で起きた変化なのかな。
無事に他の家臣たちと合流できたあの浜で、ニコニコと笑っていたのが可愛かった。
そうそう、半蔵が「側室でも…」と大鼠の肩を抱いていましたが、やっぱりそこには上下関係があるってことですよね、一応。
さて、次回
楽しかった伊賀越え回でしたが、次回はこんな軽い気持ちでは見て居られないでしょう…。
久しぶりに勝家が見れるのは嬉しいし、お市様にも会えるけれども、話の流れが分かっているので心が重いです。
これから豊臣の天下になっていくんですよねぇ。
成長した家康はどう乗り切っていくんでしょうか…。
怖いよねぇ、あの秀吉…。