超久しぶりの読書感想雑記になります。
前回このカテゴリーで一体どんな記事を更新したのか…覚えておりません。
それくらいに久しい読書感想。
読んだのは、原田マハさんのサロメです。
名前は知ってたんだ。
サロメという作品に関して、私の持っている知識は偏ったものでした。
作品の内容は、アングラが好きな私にとっては好きなもの。
三島由紀夫が演出した作品…ってくらいの知識でしょうか。
あと、映画の累で土屋太鳳さんが7つのベールの踊りを踊っていた姿が印象的だったな、っていう。
そういった周辺情報は持っているのですが、逆に言えばその程度です。
原田マハさんのサロメ。
本を手に取った理由は、完全にそのサロメというタイトルでした。
勘違いしていて、戯曲サロメの内容が分かるんだと思ってたんです…。
小説だと思ってなかったっていう。
そんな勘違いと共に読み始めた、小説サロメ。
文章自体は読みやすく、短時間で1冊読み終えることが出来ました。
が、振り返って思うのは、事前知識の重要性。
戯曲サロメに関して、作者のオスカー・ワイルドとともに欠かせないのが挿画を担当したオーブリー・ビアズリーの存在です。
小説サロメを読み進めていく上では、この2人やそこに関連する人物(オーブリーの姉とオスカーの恋人アルフレッド)については知っておかないと、こんなにスムーズには読んでいけなかっただろうなぁと感じています。
積み本だった。
実を言うと、本を購入してから3年は経過しています。
購入した当時にちらっと本を読み始めて、すぐに止まってしまっていて…。
それを再び手に取ろうと思えた理由が、YouTubeの動画でした。
www.youtube.com
前編後編からなるこちらの動画を見て、オーブリー・ビアズリーという人物やその周辺に関することを知り得たことと、動画内で小説に関して触れられていたため、「本を読もう」って思ったんです。
正直、この動画を見なければ小説をまた手に取ろうとは思わなかったし、この動画がなければ小説を読むのに苦戦していたと思います。
それくらいに、そもそもの知識が無かったし、イメージを掴むのにとても役立ってくれた動画でした。
オスカーとか、実際の写真で姿を見ていたぶん、小説の中でも「こんな感じ」っていうイメージが掴みやすかったです。
あと、ある程度動画で事の顛末みたいなものも理解できていたので、流れもすんなり読めた。
私としては、久しぶり過ぎる読書だったので、これくらいの強力な補助があった方がスムーズでした。
運命の女
小説はオーブリーの姉メイベルの視点で語られます。
史実では、仲が良すぎる姉弟と言われたりするそうですが、小説内の2人の関係性ってとても微妙に感じられて…。
仲は悪くは無いんだろうけど、純粋に弟が大好きな姉と姉が大好きな弟という関係性ではないって感じ。
ビミョーなグレーゾーンで、見て見ぬふりして関係性を保っている…っていう。
モヤっとしたものを感じながら、ずっと物語は進んでいきます。
メイベルという女性の視点で物語が進むからなのか、正直あんまりこのメイベルが好きにはなれなかった私。
多分、同性だからとかそういう面倒くさいフィルターも重なって、つまらない女っていうポイントが積み重なった結果です。
そもそもアングラを期待してこの小説を手に取った分、それに見合わないメイベルという人物へ個人的なマイナスポイントが集中しただけ。
運命の女(ファムファタル)への変貌っていうのも、あんまりパッとしないです。
ま、ドラマチックに劇的に変化するばっかりが良いわけではないのでしょうけれど。
ただ、彼女が化けたところでそう面白みは無いんだろうなぁていうのが、個人的な感想。
周囲にどうしようもない天才が溢れていた分、メイベルという人物が普通の女の子という枠から抜け出せないまま小説が終わりました。
頑張って足掻いたごく普通の女性の話って言う感じかな。
久しぶりの読書
「とんでもなく感動した本!」とか「ぜひおすすめ!」みたいな熱量ではありません。
山田さんのYouTubeはとってもお勧めしますが、小説に関しては興味があれば…って感じ。
ただ「久しぶりに読書が出来て面白かったなー」というだけの雑記だったりします。
その久しぶりの読書がちょっぴり合わないタイプの小説だったことも含めての、面白さっていうことで。
本を手に取る面白さを久しぶりに感じられて、また読書熱も上がってきています。
図書館でのんびり小説探しもしたいなー。