現在YouTubeのWOWOW系列チャンネルにて期間限定で公開されている映画、『ファンタスティック・プラネット』を視聴しました。
ずっと気になっていた作品だったのですが、見終えて少し時間が経っても、なかなか噛み砕いて消化することが出来ていません。
それくらいに、考えてしまった作品でした。
難しい…。
未来か、過去か
印象的な青い巨人、1度目にしたら忘れることは無いでしょう。
映画好きな方の中ではカルト的な人気がある作品らしいファンタスティック・プラネット。
惑星イガムという星が舞台のSF作品です。
この惑星イガムを支配しているのが、青い巨人のドラーグ族。
高い知能を持つ種族で、色々な技術を発展させています。
そんなドラーグ族のペットや駆除対象となっているのが、人間によく似たオム族。
知性や言葉を持つ種族ですが、ドラーグ族にとってはありんこ同然。
ドラーグ族の子供に玩ばれて殺害される…なんてのも日常茶飯事な種族です。
細かいストーリーについてはWiki先生を見ていただくとして…。
この映画って人類の過去を描いているようにも見えるし、未来を描いているようにも見える作品だと感じます。
神様と人間の関係性にも見えるし、宇宙人と人間の関係性にも見えるというか…。
どちらの視点に立っても成り立つように感じられて、グルグルとらせん状に回っている感覚になりました。
私としては過去と捉えた方がしっくり来たので、未来よりも過去の話であると受け取っていますが、正直この差も些細なモノ。
別の惑星のSF物語であると考えると、過去でも未来でもどうでも良いんだろうなぁとも思う。
いのち大事に。
物語としては、正直理解しにくい。
私の頭が単純に追いつけなかっただけなのだろうとも思いますが、明確に語られない部分を頭で補完するための情報も少ないように感じられて、短い映画ですが頭使って疲れました。
ただ人間によく似たオム族がペットとして粗雑に扱われている様子を見て、「もっと命を大事にしなくては…」と、強く感じた。
我が家には愛猫ノアが居るし、物言わぬ家族の植物たちも多く居るので、そういった人間ではない家族たちへの思いやりって大事だなぁとひたすら考えてしまいました。
オム族の駆除シーンもあるのですけど、私の心に1番刺さったのはドラーグ族の子供ティバがペットであるオム族のテールに上からバラバラと食べ物を落とすシーン。
イメージは、金魚の居る水槽にエサをバラバラ~っと落とす様に近いのですが、バラバラと固形物が頭の上に降って来て、その内の1つにテールが手を伸ばして掴んで食べて…っていうところが、ものすごく心が痛んだというか…。
1粒ずつ手渡しする必要性は無いけど、せめて器に入れて置いてあげるとか、方法はあると思うんです。
まぁ、子供がやる事だからいじめようみたいな他意は無いとは思うんですけど、その純粋故の粗雑な行動が1番しんどかった。
人間によく似たオム族がそういった扱いを受けているという部分で引っかかるところがあったというのもあるとは思うんです。
が、自分がドラーグ族的な立ち位置であると考えると、そういった粗雑な扱いを無意識のうちに行っていたりするんだろうなぁ…っていう風にも感じて。
だから、違う種族の生き物に対しても愛って大事…っていう。
無の種族?
古い映画なのでネタバレも何も無いのだろうとは思いますが…、ドラーグ族って多分精神性は高い種族なのだろうとは思うんです。
でも、その分感情面が欠陥しているっていうか、なんていうか…。
感情が全くないわけではないけれども、何かしらものすごく大きく足りていない部分があるように思えました。
瞑想とか宗教的(と言っていいのか…?)な修行を一心にしているような、そういう俗世から離れたところに居る精神性の高い人物みたいな、「無さ」を感じたんです。
精神性を高めた結果足りなく見えるというのは、私がそこに至っていないからなのかもしれないですけど。
そういう無い部分が垣間見えると、空恐ろしく思えて不気味に感じてました。
見終えた感想は「モヤーっとする」です。