
今週のお題「最近おもしろかった本」
10月からインプットノートを始めたこともあり、読書欲が増しています。
おかげで9月以前よりもかなり本を読んでいる最近。
AmazonKindle Unlimitedを利用しているので、無料で面白い本が読めてしまうのも、有難い。
そんな私にピッタリの今週のお題に沿って、面白かった本について書いていきます。
エッセイの面白さ
久しく本(文章)を読むことから遠ざかっていた私。
リハビリ的に選んだのがエッセイでした。
気軽に読めるという点では、手が伸びやすい本だと思います。
Kindleで色々と物色し、無料で読めるエッセイ本を探していた私の前に現れたのが、『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』でした。

阿佐ヶ谷姉妹、本当の姉妹ではないけれどもなんだか似たお2人の、女性芸人コンビ。
カラオケ番組にて、お姉さんの熱唱を見たことがあり、あの柔らかい雰囲気からは想像もできないパワフルな歌声に感動した記憶があります。
あと、Eテレで番組に出演されていたよね?…ライフハックとかお料理的な番組だった気がする…。
正直、それくらいのイメージしかないお2人でした。
ふたり暮らし
本のタイトルにもある通り、2人暮らしをしていたおふたり。
この本は、幻冬舎のウェブサイトにてリレー形式で連載されたエッセイを、未掲載のエッセイと併せて出版された物です。
姉のエリコさんと妹のミホさんの2人の視点から描かれる、少し奇妙にも思える女性の2人暮らし。
リレー形式であるからこそ、見えてくる生活の面白さとおふたりの個性や面白みがとても味わい深い本でした。
あと、阿佐ヶ谷って良い場所なんだなぁって思った。
程よく遠慮なく
コンビのおふたりなので、ルームシェアしていると言う方が、世間的には一般的な言い方なのかもしれません。
が、6畳1間に2人暮らしと聞くと、ルームシェアのシェア率がとんでもなく…。
横文字のお洒落さが一気に失せる気がするのは、私だけでしょうか?
姉のエリコさんのエッセイから始まるこの本。
布団の敷き方と妹ミホさんの寝方に関してのなんとも言えない愚痴からのスタートです。
そりゃ6畳1間にちゃぶ台(こたつ)を挟むようにして布団を2組敷くなんて、余裕のよの字もないでしょう。
そんな姉エリコさんのミホさんに対してのちょっとした愚痴っぽいエッセイの後に続くのが、妹ミホさんの反撃のようなエリコさんへのエッセイ。
『虐げられている者達』とタイトルについているのですが、エリコさんの視界に入らない(認知されていない?)小さな物たちへの悲哀やら嘆きやらが書かれています。
このエッセイ、おふたりのこの程よい遠慮の無さがとても心地良く、『のほほん』と言うタイトルが本当にピッタリなんです。
本当の姉妹(家族)ではないからこその距離感とでも言えば良いのか、お互いの性格についての違いなども「生まれや育ちの違いかしら?」と言う具合で書かれていて、私はとても好きでした。
一緒に暮らしていく中での不満点に関しても、「改善してほしいけれども、諦めも必要」みたいな。
6畳1間と言う距離感で、つかず離れずの生活って感じ。
阿佐ヶ谷という場所
地方民の私にとって、阿佐ヶ谷と地名を言われても特に何をイメージして良いのかも分からないくらいに、知らない土地である阿佐ヶ谷。
このエッセイではその謎の土地阿佐ヶ谷がいかに魅力的な土地であるかというのが、よく分かるんです。
なんなら、「東京で住むなら阿佐ヶ谷かしら…」とか思ってしまうくらいには、魅力が書かれている。
下町的な義理人情とはちょっと違うのかもしれないですが、人と人との距離感が近く。
ご近所付き合いが密にされている感じと共に、阿佐ヶ谷姉妹のおふたりがそれを望んで、溶け込んでいる様子がとてもよく描かれています。
この土地が好き・この部屋が好き・ご近所さんが好きという3つの好きを堪能できる文章でもあるんです。
リレー形式で書かれたエッセイなので、おふたりの文章を交互に読み進めていくスタイルの本ですが、おふたりとも文章がとても軽妙。
そもそも本を読み慣れていない人にも読みやすい本だし、おすすめしやすい本だなぁと思いました。
言葉を話すように文章を書くと、とっつきやすい場合もあるけど、読みにくくなることもあり…。
ここら辺の匙加減とかは、やっぱり芸人さんの腕(技)なのでしょうか?
おふたりの魅力、阿佐ヶ谷の魅力が詰まったエッセイで、久しぶりに「良い本読んだ!面白かった!」と思える本でした。
超、おすすめの1冊です!

