久しぶりに面白いと感じた光る君へ。
1週あいたことにより、前回からの直の続きで戸惑う部分もありましたが「そう言えば…」と見つつ補完。
今回は、「道長好きだわぁ~」って思ってしまった。
素が素敵
今回の私の中でのヒットは、道長の漏れ出る相槌でした。
彰子とのやり取りで「母上と何かあったの?」と聞かれたときや、まひろとのやり取りの中で「え?」と思わず口から出てしまった…というあの言葉。
言葉というか、声というか。
あの柔らかさこそ、この作品で一貫して描かれている藤原道長という人物を良く表しているものだと感じました。
役者さんって凄いよねぇ…って思ったポイントでもある。
ずっと変わらない部分がある一方で、土御門邸にも明子の元にも帰らなくなったという部分が、道長の努力の限界を表しているようにも感じました。
「今まで頑張って来たけどもうしんどい」っていう感じのやつね。
私の中で好感度のマイナスの倫子と面倒な女になりつつある明子と、道長にしてみればどちらと一緒に居ても癒しはないわけですよね。
帰りたくない家になっているというか…。
そもそも大元を辿ればまひろをずっと思い続けている人だし。
今まで頑張って良好な夫婦関係を継続しようとしてきたけど、その努力の限界を感じたのかもしれません。
というか、頑張ることに意味を見出せなくなったのかも…。
土御門家の後押しも現在の道長には必要不可欠ではなくなったのだろうし。
明子の方は自分の子供への圧が強くなっているのだろうし。
頑張ってきたことに対して「もういいかな」って思ったのかもね、道長。
ブログと小説
大流行中の枕草子について「つまらない」という評価だったあかね。
彼女の言葉では艶っぽさが無いというのが、面白みがないという評価に繋がっていたという感じでした。
枕草子ってブログに例えられる作品です。
実際に私は読んだことが無いので(源氏物語も読んだこと無いです)作品自体を知っているわけではありませんが、多分今時の解釈をするならキラキラ系のSNS(ブログ)なのだろうと想像できます。
定子の良い面、輝かしい時代だけを切り取ったものってつまり、そういうコトですよね。
夢を見せるという意味ではある一定の評価や意味づけが出来るのだろうと思いますが、一方でそれを薄っぺらいと感じることもあるでしょう。
まひろが書いた物語である源氏物語。
こちらは小説であり創作ですが、こういう文章にこそ人間(作者)の本質が現れるという話を聞いたことがあります。
本質というか、素と言った方が正しいのかもしれませんが。
ブログっていくらでも嘘が書けるし、盛ることができる。
どの様な人間であるか、自分が見て欲しい姿を切り取って書くことができます。
だから、書いている人間の意図がそのまま出る。
それと比べて創作ってそういう作者の「こんな風に見られたい」という意図は働きにくい構造ですよね。
問題提起したいこととかテーマを、創作として取り扱うことが意識の中心にあるだろうからね。
ドラマでは清少納言が「定子の美しい部分だけを残したい」と明言しているので、より作為が働いている事が想像できてしまう。
そんなわけで、あかねの様にきちんと枕草子が刺さらない人間がいるということが私は好ましく感じました。
次回も楽しみ。
久しぶりに楽しく見れた回で、「次回も楽しみ!」と気持ちも膨らんでいます。
いよいよまひろが女房として勤め始めるんですねぇ。
まひろが女房になることで彰子にどのような影響が出るのかっていうのも、楽しみだなぁ。