どうする家康、第11回目の感想雑記です。
今回は印象的な人物2人に焦点が当てられた回だった印象。
前回が個人的にとてもしんどかった分、今回はそれが無くて良かったなぁって思いつつ、これ書いてます。
赤が印象的でした。
印象的な人物、1人目が武田信玄。
格上の信玄に会えることになった家康でしたが、すんなりとはいかず…。
家臣たちとの格の差についてのやり取りは、家康勢の関係性がよく分かる描写でしたね。
「信玄のはるか下に家康が居て…」っていう。
ああいうやり取りが出来るのが、家康勢の強みだと個人的に思っています。
さて、武田信玄。
濃い霧なのか、靄の中からぬーっと出てくるのは、なんだか妖怪じみたものに見えて面白かった。
格の差というもの以上の差を家康に見せつけていた感じですよね。
家康の傍らには、若い家臣が2人だけ。
頼りになると言い切れない戦力に対して、信玄の方には大勢の忍びたち。
誰がどう見ても勝ち目のない、不利な状況に置かれていた家康は、全て信玄の手のひらの上で踊らされていたわけですよね。
会談の場として借りていたあのお寺も、全て了承済みだったんじゃないかと思うんです。
了承済みというか、信玄側なのか、筒抜けなのか…。
西遊記だったか、孫悟空がお釈迦様と勝負する場面で、誰も到達できない場所だと落書きしたのがお釈迦様の指だったという話がありますよね。
なんか、アレをとても思い出してしまった。
武田の赤
武田軍と言えば、赤。そんなイメージがあります。
駿府を一瞬で陥落させた武田軍。
苛烈に焼き尽くし呑み込んでいく、そんな勢いの赤でした。
戦において右に出る者は居ないという描写としてはピッタリでしたね。
今回の大河ドラマには、上杉謙信は出てくるのでしょうか?
その2人のぶつかり合いも純粋に見てみたいよねぇ。
女城主、田鶴の方
今作の印象的だったもう1人が、田鶴。
瀬名の幼馴染で、家康と対立してしまう女性です。
前回だったか、その前の回で、夫の裏切りを氏真に伝えていた田鶴。
てっきり私は「心が壊れてしまったのかな?」って思っていたんです。
兄である鵜殿長輝に協力して、瀬名一家を窮地に追い込んでしまった際に、瀬名たちの命を助けてくれるように頼んでいて。
それが聞き入れられないと分かって、絶望していた。
あの時の彼女は良くも悪くもとても純粋に見えました。
が、それ以降の姿はなんだか曇っているように見えて。
だから、「俗世から離れたところに心を飛ばしてしまったんじゃないか?」と想像していたんです。
彼女が心を寄せたのは、過去でした。
過去の、平和で笑顔溢れる今川様の時代。
そう在るべきとして、家康と対峙し、討ち死にしてしまう。
城に火を放っていたので、負けることは分かっていたのでしょう。
勝って帰るなどという気持ちは初めから持っていなかったんじゃないかな。
自分が家康に勝っても、今川様の時代は戻ってこないと分かっていたのだろうと。
そうなると、彼女が選ぶ道は死しかなかった。
一向宗もそうでしたが、死ぬことに恐怖を抱かず向かってくる人間の力って、底知れない恐ろしさがありますね。
椿姫
女城主というと、ドラマのイメージなどから井伊直虎が思い浮かびます。
が、彼女も実際に夫亡き後城主として治めていたんですよね。
女性の一生って明確に記録に残っていないことが多く、田鶴も例外ではありません。
色々と逸話があるようですが、書物によって様々。
ただ、討ち死にしたってところは多くの書物に共通して書かれていることで。
椿姫という異名があるようですが、これは瀬名が亡くなった田鶴を思って椿を植えたことに由来するそうです。
椿の花も赤ですね。
こちらはポロリと落ちる儚さと潔さを併せ持った赤という印象。
田鶴の最期と椿の花の最後は共通するように感じました。
楽しめた回でした。
純粋に大河ドラマが楽しめたので良かったです。
見終わってズシーンってならなくて、一安心って感じ。
ある意味、王道の大河ドラマっぽい回だったなぁって思ってます。
次回もこんな感じで楽しめたら良いなー。