
どうする家康、第10話の感想雑記の本日。
前回の一向一揆の回よりも、個人的にはとてもしんどかった今回。
もしかして、今作の大河ドラマってずっとこんな感じなのかなぁ…って怯え始めてます、私。
刺さってる…。
一見ポップな風刺話
一向衆が出てきた時にも思ったのですが、今作の大河ドラマは社会風刺が効いている感じがします。
第10話では、女性に関するところとか、恋愛的なところとか…。
現代劇であったら絶対炎上しそうなセリフとかあった気がします。
個人的に、昨年の鎌倉殿の13人よりも精神的にしんどくなる描写とかセリフが多くて、怯えてる。
鎌倉殿は全体的に重たい空気感(後半特に)だったし、その中で御家人たちとのゴタゴタがあってもとくにダメージ喰らうとか無かったんです。
が、今作は一見ポップだからその中でグサッと刺さるモノがあると、ダメージが大きくて…。
社会風刺って、でも、そういうものですよね。
在り方色々
さて、今回のお話で気になった所について、書いていこうと思います。
お話の始まり、家康に側室を迎えようっていう話を持ってくるのが、於大の方。
「夫婦仲は良いのに子供ができない」から、「瀬名は女としての役は終わっている」っていうところからのスタート。
於大の方の言うことは、時代的には間違ってはいないのだろうと思います。
これから家を大きくしていかなくてはいけない、外の大名たちと婚姻外交をしていかなくてはいけない、っていうのは家を考えれば当然のことでしょう。
『女性は子供を産む機械ではない』って、いつぞや問題になりましたよね。
でも、あの時代ではそれがとても重要なお仕事だった。
そのお仕事に任じられたのが、お葉。
「男性に好かれるタイプではない」と自称する彼女でしたが、瀬名や於大の方の押しで側室になります。
無事にお姫様が産まれますが、その後すぐにお役下がりを申し出て。
理由としては、想い人が居るというものでしたが、話を聞いてみるとジェンダー的なところへ話が流れて。
お葉の「男に好かれないタイプ」というのが、「好かれないように振る舞っていた」と行き着いた時の心が「どんなに苦しいものだったのだろう?」と想像するとしんどい。
男性に触れられるということへの苦痛とか、嫌悪とか…。
それでも「お仕事はこなさなくてはいけない」っていう、責任感が唯一の縋る先だったのかもしれませんね。
お役下がりをしたあと、2人で仲睦まじげに床を拭いていた彼女たちが幸せそうに見えたのが唯一の救いかなぁ。
戦国時代は今ほど「性別ってものへの恋愛面での縛りはなかったのかな?」と想像します。
男性同士はあったのだろうし、女性同士で結ばれてもそれを後ろ指刺されたりってことがないのかな?…そうであったら良いなぁという希望も込められてますけど。
お葉とのやり取りを家康から聞く瀬名の様子からも、特に引っ掛かりは無かったみたいだし。
あの2人が幸せになってくれることだけ祈ってる。
しんどくて、しんどい。
今回の話で1番しんどいって思ったのが、瀬名でした。
お葉と上手くいっている様子を家康が瀬名に話す場面は、「だろうな」って感じがしたから、家康への怒りもなにもなかったんですけど。
家康が鈍感で、瀬名の心模様が分からないのは想像通り。
無意識に傷つけていても、「そういうヤツだよね」っていうところで終わっていました。
ただ、お葉がお役下がりになって、「妻としての役割は終わり」ってことを家康から聞いた瀬名の、あの嬉しそうな顔。
あれが、とんでもなくしんどかった。
妻として家を思って「家康に側室を…」っていう行動をしていましたけど、本音がそんなに上手く切り替えられるわけもなく。
だから、お葉と上手くいっている家康に不満そうな顔をしていて。
それが上手くいかなくなって喜んでしまう様が、とても人間っぽくて、女性っぽくって、とてもしんどかった。
うまく言えないけれど、自分も持ち合わせている黒いところをグサッと刺された気分。
メンタルに来るねぇ。
どうする家康、面白いのですが「とんでもなくメンタルに来るドラマかもしれない…」と思い始めています。
戦で人が亡くなる描写とか、そういう辛さはもちろんありますが、それ以上に人の感情の機微みたいなものがしんどく感じる。
見方を変えれば、役者さんや脚本の凄さなのでしょうけれど。
鎌倉殿よりしんどいかもしれない…って怯えてるよ。
